Gulliverコメント|鹿目由紀(劇作家・演出家・劇団あおきりみかん)

手相から診る『Gulliver』

渡部剛己さんの手相からは、まず『死ぬまでモテる』という情報が手に入りました。いわゆるモテ線がはっきりくっきりありましたので。これ、とても危険なことです。たぶんこの芝居を観ると、みなさんモテオーラにやられて体現帝国の虜になること間違いなしです。かくいうわたしも前回野外某所で上演を観た時、いきなりのモテオーラにやられたクチです。ですから、そもそもモテオーラに侵されたわたしが、渡部さんの手相をまともな思考回路で見られたのか怪しいもんだと若干、自分を疑ってますけどね。
あと特筆すべきは、頭脳線が大きく二股に割れていることです。これ、トリッキーな線です。ちょっとやそっとの二股じゃありません。すんごい二股です。この芝居、罠があります。一つの線ばかり追いかけてると痛い目を見ますよ。たぶんですけど、始まった時からなんらかの罠を仕掛けられているんじゃないでしょうか。そういうのありますよね。こっちはもう最初から詰んでた、みたいな。
最後に感情線…途中で切れてました。やばいです。みなさん、多分ですけど普通の感情では客席に居られません。感情線が切れている者は、好きにさせておいて裏切ります。「あれ、あたしこんなに愛を注いできたのに、そこでそれ?」みたいなことになります。たぶんそれ、やられます。マジ気をつけてください。
まとめると「モテて才能あって途中で裏切る」って、だいぶ格好良さそうなフレーズですけど、とにかく危険な香りしかしません。やばいもの観たければ、観に来たほうがいいです。あ、さっきも言ったように、わたし『モテGulliverオーラ』に侵されている可能性高いんで、この言葉全部に責任持てませんけど。っていうか、ちょっと待って。わたし、占い師じゃないんですけど。(本職の方、すみません)

鹿目由紀(劇作家・演出家・劇団あおきりみかん)