体現帝国 試演会にお邪魔しての戯言
体現帝国、主宰のゴウキ君と初めてあったのは、僕のワークショップに彼が参加した時のことだ。
その時僕はちょっとした悩み(もちろんそれはプライベートなものではなく、同じ作り手として聞いて欲しかった話)をぶつけてみた。
彼の答えは、とてもシンプルでその時の僕は妙に納得した。若いくせに生意気だ、と思わなかったと言えば嘘になる。でもそれ以上に僕は妙に納得したのだ。
若いのにしっかりと芯がある。それが彼に僕が持った印象だった。
そんなゴウキ君が自分の作品の推薦文を書いてって言う。
僕は、あー。書きましょう。書きます。書きます。そう言うのなんだかかっこいいじゃない。ってかなりミーハー根性丸出しで引き受けた。
すっごい若手がすっごいのやってますって決して盛ることなく事実のみを書いて見せましょうじゃないですか。笑。
そこで見た試演会という一時間十分はゴウキ君そのもの、ゴウキ君の今だったと思う。
彼のやりたいものがこれでもかこれでもかと押し寄せてくる。一見、どこかとっちらかってるような印象を受ける。これでもかと押し寄せてくるせいで、多くの象徴が存在する。
しかしその象徴の全てにゴウキ君がいるのだ。
その存在感。渡部剛己という存在の存在感。
彼には今大きなパワーが有り余ってるんだろうなって、そう思った。
本公演に向けての見事なまでの試演会。試演会だからこその、ゴウキ君の今がそこにあった。確かにあった。
終演後のトークでゴウキ君が言ってた、これから一ヶ月、稽古が楽しみです、と。
僕も全く同じ印象を受けた。
この一ヶ月、彼は広げるだけ広げたそのパワーをどこに向けるのだろうか?
向けるのはどこで、向けた先には何があるのであろうか?
自分に明確な芯を持つゴウキ君だから、作品のその芯と矛先は明確になっているのは間違いないであろう。そのための下地は確かに存在していた。
この一ヶ月の経過を僕は彼以上に楽しみに待ちたいと思う。
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